稀覯本(きこうぼん)・珍本・奥付

古ーい本・あまり見ない本・奥付に検印証のある本などを集めてみました。
ネット上で古本屋を始めたことを知った父が(90歳いくつか過ぎ)、老い先いくばくもないので自分の本は不要、と思ったかどうかわかりませんが、本を、送ってきたのです。
本と名の付くものは、一切捨てない父ですから、実家には根太が落ちるほどの本があります。文藝春秋の創刊号からあるというのが、父の自慢で週刊新潮までもとってあります。
父の蔵書のほんの一部であっても、狭いマンションの一室に持ってくれば、本、本、本の山。埃と紙魚とナメクジの這った古本の山、おまけに全部に四角い大きな父の蔵書印まで押してあります。
その半分ごみ化している本を前にして、困りました。欲しい人をどうして探そうかと。勿論、父の子である私も活字の載っているものは、捨てられないという因果な性分です。捨ててある本まで、拾いたい人間ですから、保存状態の悪い父の本でも、捨てられないのです。
アマゾンのマーケットプレイスへも、本の出品はしているのですが、あそこは、既存の本が決まっており、そこにない本は、出品できない仕組みになっております。
そこで、写真を貼付し、欲しい方は、ご自分で値段をおつけ願うのはどうかと、愚考した次第です。
取り合えずの値段は、提示を致したいと思います。高すぎると思われる方は、どんどん値ぎってください。安いものは、値上げして下さいませ。
送料が別途必要なことをご承知おきください。

問合わせメール:femina@yn.fem.jp           古本屋メニューへ   TOPページへ

こういう本は珍本というのでしょうか、言わないのでしょうか。表紙と中身が逆さまについているのです。
こういう類の本の値段は皆目分かりません。ご興味のある方は、ご連絡ください。ただ、なんせ古いもの
ですから、ご覧になってからの方が良いとは思います。

聊齋志異 昭和26年初版、創元社、柴田天馬訳 10巻

4巻が、表紙と中身とが上下逆についています。製本ミスでは、あるようです。

     

斜陽 太宰治著、昭和23年初版、新潮社、定価120円

表紙、裏表紙と、中身が逆さまに糊付けされています。


東光ばさら対談、今東光著、講談社、昭和49年第1刷発行 この本は、145頁から150頁までが、逆さまに付いています


祖国は何処へ 全3巻 白井喬二著 昭和24年初版、扶桑書房 定価150〜160円 保存状態の悪い本です。絶版で、手に入らない本のようです。マニアの方は、ご一報ください。


青春無頼悪い使徒
今東光著、実業之日本社刊、昭和48年初版、定価750円
本の状態としては、小口天が経年ヤケしており、多少の紙魚があります。カバー有り、帯無し。本体、中身ともに、良品です。
今さんの著書は、山ほどありますが、この題名の本は、ネット上では、見当たりません。値のつけようがありませんが、3000円以上に値を付けてくださると嬉しいです。
瓣慶(弁慶)上・下巻
今東光著、講談社、上下共に昭和41年初版、定価290円
本の状態は、カバーの上にビニールカバーがあります。帯無しです。小口は三方共に経年ヤケがひどいです。本体は、多少ヤケていますが良好です。

講談社刊のは、見当たりません。各2000円でいかがでしょうか。
好色夜話
今東光著、新潮社、昭和39年初版、定価330円
本の状態は、帯無しで、カバーの経年ヤケがひどいです。小口天はヤケと紙魚があります。破れなどはありません。2000円ぐらいでどうでしょうか。
十二階崩壊
今東光著、中央公論社、昭和53年初版、定価980円
本の状態は、カバー有り、帯無し、ビニールカバー付き、小口は経年ヤケが少々見られ、紙魚も少しあります。ナメクジの這った痕がみられます。が、状態としては、良好だと思います。2000円ぐらいで、いかがでしょうか。
生きている日本史
高木健夫著、鱒書房、昭和27年9版、定価290円
本の状態は、ひどいです。カバーには、小さな破れがありますし、小口はヤケて、茶色になっています。ただ、この本の奥付が、珍しいのではないかと思われます。奥付は、別紙が貼ってあります。本の一枚一枚に、人の手で、糊で貼ったんでしょうね。検印も高の字をくずしたものが、朱肉で押してあります。いくらだったら買ってくださるでしょうか。

古本の「奥付」と「検印」にはまっております。

辞書によりますと、
「奥付」は、書物の末尾に、書名・著者・発行者・印刷者・出版年月日・定価などを記した部分、と書いてあります。
「検印」とは、1.検査済みのしるしに押す印。(中略) 2.書物の奥付に、著者が発行の承認および発行部数の検査のために押す印、となっています。
奥付も、本自体に印刷してあるものと 別紙で奥付だけを印刷して、本体に糊付けされているものとが、あるようです。
他の方法があるのかもしれませんが、まだ、写真の二つのやり方しか見たことがありません。

奥付の作り方も色々あります。
これは、谷崎潤一郎の「瘋癲老人日記」の奥付です。句読点も区切りも無く、づらづらづらと、字が並んでいます。中央公論社刊です。
これは、みやすい。原田康子の「挽歌」、昭和32年51版。売れたんですねぇ、51版とは。一覧するだけで、どこが発行所か、著者はだれかがすぐにわかるというもの。
左上のりんごが二つ並んでいるような薄緑色の証紙が「検印」です。著者である原田康子さんの印鑑が押してあります。
丸い奥付もあるのですね。「結婚記念日」富岡多恵子著、昭和48年初版ですが、著者の検印はありません。発行所である新潮の文字が印鑑のようにして、印刷されています。

「検印」は、書物の奥付に、著者が発行の承認および発行部数の検査のために押す印、となっています。昔の本には、奥付の目立つところにに個人の印鑑がちゃんと朱肉で押してありました。
この印鑑を押した紙、切手ぐらいの大きさの紙をなんというのでしょうか。知りたくてネットで検索しますが、イマイチ納得のいく名前が出てきません。単に「検印」か、「検印証」か、「検印証紙」か、「検印台紙」か。
どなたか、ごぞんじのかたがいらっしゃったら、お教え頂くと嬉しいです。ヤフーの知恵袋でも探しましたが、見つけられませんでした。

検印は出版社が印税をごまかさないためのもので、著者自身が家族総動員で押した、という話もあるようです。でも、千部くらいの押印ならまだしも、何万部というベストセラーに押すのは大変な手間でしょうから、いつからか「検印廃止」と印刷されるようになったそうです。
その「検印廃止」の印刷も、いつ頃からかみられなくなりました。

三島由紀夫「金閣寺」昭和36年(1961)6版、新潮社版、定価280円、地方売価290円とあります。程度C 小口にヤケと紙魚有り。蔵書印。  売価2000円 これは、誰あろう、三島由紀夫「金閣寺」の検印です。三島の印鑑が押されているのが、はっきりとわかります。

「美徳のよろめき」昭和32年(1957)4刷、講談社版、定価280円程度C 小口にヤケと紙魚有り。パラフィン紙も破れ有り。蔵書印。 売価1500円 ところが、同じ三島のものでも、「美徳のよろめき」の印鑑は、カタチもひし形で、薄くて、実物もよくわからない押印です。

谷崎潤一郎「瘋癲老人日記」昭和37年(1962)6版、中央公論社、定価500円、程度B、函あり、小口に経年ヤケが多少ありますが、まあまあの品です。蔵書印。 売価5000円(送料込み) 左の谷崎潤一郎「瘋癲老人日記」の検印です。くっきり、はっきり、大きく、です。
谷崎潤一郎「鍵」昭和31年(1956)3版、中央公論社、定価350円、程度B、函あり、小口に経年ヤケと紙魚があります。蔵書印。売価5000円(送料込み) 左の谷崎潤一郎「鍵」の検印。本も年度が変わっても、同じ印鑑が同じように押されています。
「裸者と死者」ノーマン・メイラー著、昭和24〜25年上・中・下巻のうち中巻のみ初版、改造社、定価各190円、程度悪、ご希望の方はご連絡ください。 上・中・下の押印それぞれの色が違うというもの。スタンプの色が違ったのでしょうか いや、スタンプではないようです。英語のサインらしく、ペン書きなのでしょうか。インクの色違い? サインの字体も違うみたいです。本人がサイン?、いや、訳者ではないでしょうか。

「零八/十五」全3巻、ハンス・キルスト著、1955年刊、3巻のみ初版本、三笠書房、定価各280円・地方価290円、相当に古ぼけた本です。ご希望の方はご連絡ください。 この本には、翻訳者が4名いらっしゃいます。櫻井和市氏がどの巻にも関わっていらっしゃいます。で、検印がどうなるかというと 検印が二つ押してあったり、 三つ押してあったり・・・

ところで、この本の題名はなんと読むのでしょうか。


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