90歳をいくつか越えている父と、7歳年下の母は故郷に住んでる。
母は、物事の判断能力は衰えていないので、前どおりに話せるのだが、物忘れがひどくて、さっき言ったことを忘れるという、不思議な特技の持ち主になってしまった。
父は、未だに元気で、「老人いこいの家」なるところに碁などをうちにいき、１級上にあがったなどと言っている。しかし、耳が聞こえなくなってから久しい。難聴などという生易しい聞こえなさぶりではない。普通の補聴器では、全然役に立たない。
そこで、骨伝導の補聴器というのがあることを知った。早速、注文して、メーカーから、直接父に送ってもらった。
聞こえるようになったのか、ならなかったのか、電話をかけて訊いてみることにした。
父とは、電話で、話せる状態ではないことが、わかった。補聴器をつけていても、いくら怒鳴っても駄目。
母に代わってもらった。目の前で話す時は、普通に話せると言う。「え、お父さん、耳きこえんかったかね」というのである。物忘れである。
ということは、電話でない時は、聞こえるようになったのであろう、よかった。
で、○○子(私の娘、母の孫）が結婚するのにね、結納がね・・。と話し始めると、「え、○○子、結婚するの？」ときくのである。
「えーっ、この前の電話で言ったじゃないのさ」というと「えー、きいてないよー」という。
側にいたらしい父が、「この間いうとったじゃろが」と言っている。
「ああ、じいちゃんに言ったんね」と母。
「いや、お母さんに言った」というと、電話の向こう側で父に向かって、「誰に聞いた」ときいている。
「お前から」と父。
「ひゃははは」と母。「物忘れのひどうてねぇ」と母。

耳は聞こえないが、頭はしっかりしている父と、耳はしっかり聞こえるが、頭のどこかが、抜け落ちている母との不思議な会話でした。

と言う事で、骨伝導補聴器は有効のようです。

興味のある方は、下の補聴器をクリックしてください。メーカーに直接飛んで色々情報が手に入ります。