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「CRグループ」のこと
自分が今どう思い、どういう感情を持っているかを知るのって意外と難しいものです。

仕事が長引き夕食に、出来合いのお惣菜を買って帰った時のこと。
「このトンカツまずいねぇ」と言った息子へ「まずいなら、食べなくていい」と怒鳴りお皿を取り上げようとする母親の私。
「あら、冷たいトンカツはまずいねぇ」と言えば済むことなのに、何故、怒って怒鳴るのだろうか。

@まずいおかずを買ってきたおかあさんは悪いと言われたと思った。
A出来合いのおかずを買うのは、主婦としてよくないと思っている。
B良い母親をやらねばならないと思っている。
などなど・・・であろうと思います。

そういうことが分っていると、わけもなく息子に怒鳴らなくてもいいわけです。
自分がなんで怒っているか、どういう意識を抱えて生きているかを知る方法があります。CRというものです。

CRとはConciousness Raising の略で意識覚醒と訳されます。意識変革と社会変革

1970年代にアメリカで草の根的に女性たちがグループを作ってきたものです。‘80年代には日本でも知られることとなりました。

性別役割分業の中で育った我々女性が、どういう「女らしさ」規範を取り入れているかを、自分を語ることによって自分で知っていく作業をグループでやっていくものです。


早く言えば「自分を知る」ことをグループの支えの中でやろうというもの。            

ATとはAssertive Trainingの略で自己主張のトレーニングと訳されます。

これもアメリカで始まったものを日本でも導入されたものです。

自己主張といっても、「私が、私が、」と言い張れというものではありません。攻撃的でもなく卑下することもなく自分の思っていることを相手に伝えてみようというもの。グループでロールプレイをやりながら実践的に学んで行きます。

もちろん、「伝えない」という選択もありです。       


CRグループ (フェミニスト・カウンセリングの技法のひとつ)

T Consciousness-Raisingの略で意識覚醒=社会規範化されている性別役割分業を無意識のうちに内面へ取りこんでいることへの気づき、内在化している性別役割分業・内なる女らしさの意識化・社会変革

U CRに必要なもの

  場の確保

  枠の設定

  安全感の確保

V CRの目的

  1)言語化 …感情の言葉化(意識化しないと言語化できない、言語化して意識を変革)

  2)相対化 …自分を客観視

  3)相互作用…私だけではない 

W 具体的なやり方

  1)力関係や上下関係無し。リーダー無し。小さなグループで意識的に自分達の意識に気づき、変革していく。(自由と責任)

  2)体験を話す。その時の自分の感情を話す、怒りは出し易い感情。

  3)週1回定期的に同一メンバー、同一場所で話す。1年以上続けることもある
  4)議論、批判、比較をしない。事実を述べているつもりでも、受け取る側では批判にとれる場合がある。
   5)最終目標は自己イメージを肯定的にすること、自分はこれでいいんだということ、自分を好きになること

   6)テーマは決めてもいいし、決めなくてもいい

  7)時間は1回に2時間くらい

  8)話すことから始まり話すことで終わる

X CRの4段階

  1)自己史を語る

  2)共有化

  3)分析(問題点をはっきりさせる)

  4)抽象化、概念化(自分の客観視)

やりがちなことだけどやってはいけないこと

@支配したり、されたり

A優位に立ちたい

B比べがち

C批判したくなる(他の人が話している時、どこで口を挟みたくなるか)

D教えたくなる

E攻撃をしない

F議論や話し会いではない

こうやろう

E自分の思い、気持ちを自分の言葉で、場の真中に向けて話す

 (意見ではなく自分の体験や感じたことを話す)

F今の自分の切り口で話す

G違いを違いとして認める

H自分の場所は自分のもの

Iでもつながりの感覚は大事に(1人だけど皆、皆だけど1人)

Jそこで話されたたことは、グループの外では話さない

K分かり合える、つながれると期待しすぎると傷つく